今井山称念寺 あの時は解体修理開始直後

今井山称念寺(本願寺派)についてはかなり前にさらっと記していますが、今回の画像も昨年(2013年)の春頃の図で現在のものではありません。

もうすでに新鮮さでの勝負はできませんが、「こういったご縁もあったのう・・・」という感じで記します。

 

 奈良県橿原市今井町の今井山称念寺(場所はここ)のご住職の今井慈綱氏には御先祖の共通点の多さということもあって以前ブラッと訪問し、ご挨拶はそれよりずっと前に済ませていました。

5月に亡くなった当山の先代(父)も遥か昔に、やはり考えることは同様で称念寺さんの先代、今井慈綱氏の父上様と面談していました。

 

 現在の状況はまったく承知していませんが、あの時はまさに本堂の改修工事の真っ最中となっておりました。2012年の夏から工事が始まっているようです。予定では完成が2019年と聞いていますが現状の様子はわかりません。

 

 その際、驚かされたのが今井慈綱氏は2006年に脳幹出血で倒れていて、長らく住職不在の日々が続いたのち、妹さんの慶子氏が寺務を取り仕切っていたということです。

相当の御苦労を推測することができます。

何しろ急に舞い込んだ事案に檀家御一同の依頼もあってゼロから住職教師資格を取得したとのこと。

 

 同時進行的に難題となった本堂修復事業(重要文化財指定)も手掛けているというのも圧巻でした。

真宗寺院の「重文指定」は本山以外では初めてだそうです。

当然に本堂建設の古さも際立っていることは間違いないところです。

私もその時以来となっていますが、慶子氏のバイタリティーとパワーに圧倒された次第です。

 

 御本尊は庫裏を仮本堂として移動しているそうですが、お寺のお宝として、慶長年間に描かれた親鸞聖人の画や、明智光秀の書状、信長の「天下布武」付きの書状等があるとのこと。

いずれは所蔵する文化財を公開し、「誰もが気軽に集まれる場になれば」(地元新聞紙上)と仰っているそうです。

 

 この今井町(寺内町)の街並みは、「重要伝統的建造物群保存地区」の指定付き。東西約600m、南北約310m、全建築物約1500棟のうちの1/3の建物が伝統的建造物と、「古い街並み」という点では日本有数の格別を味わえる場所でもあります。

 

 何しろ、この辺りに一旦来れば、どうしても気が散って集中できず一つ一つゆっくりできないという私の性分が出てしまいます。

新しい発見というか興味をそそる場所がゴロゴロしているということです。

 

⑦⑧庫裏唐破風の鬼瓦に葵紋と彫り物。⑩は「華甍―はないらか」今井町の資料館です。