牧之原のお茶がおいしいのは地形の恵み

世間様のお盆休みの間、「奥の墓道」と私の時間が合えば、つるんで向かうのが岐阜から京滋方面というのが例年のパターン。

しかし本年は、彼の母上の不調と目的地方面の天候不順が重なってすべてお流れ。


 それにしても中部から関西方面の豪雨ときたら酷いものですね。

とんでもない休暇をすごされたことでしょう。これも天変地異の一言なのでしょうがいわゆる「猛暑酷暑」の逆バージョンが巡り合わせで来たようなものでしょうか。


 自然の為せることに対して、まったくもって人間の存在たるや無力でちっぽけな存在かと再認識させられます。

幸運にもたまたまその災いに巡り合わずにそのまま今を送らせていただくのであれば、「ありがたい」と自ずと頷いて、あとは沈黙を決め込む他は無いのでしょう。


 さて、天気予報の通りに静岡地方はてっきり「曇り時々雨」の蒸し風呂状況となるものと思いきや、相良・御前崎方面は朝から「晴れ」。

午前中の所用を済ませて月曜に横浜に戻るという彼に急きょ連絡を取って御前崎方面へ向かいました。「海辺をぶらつこう」というアイデアです。


 その手の誘い文句というもの、最近は若いカップルでさえ吐かないようですが、炎天下好きの変人オヤジ二人組にはごく普通の時間の取り方ですね。

あまりに綺麗な海と太陽と青空そして白い風車に誘われてやって来たようなものですが。


 オカシイと思いませんか?この地に住んで私もずっと感じています。「なぜ予報に反してここは晴れているのだろう」

今回の悪天も西の四国辺りから中部地方の「日本の背骨」日本アルプスにかけて伸びる停滞前線が居座ってそれに南からの湿潤な大気が入り続けていることに起因していますが、この最大要因は太平洋高気圧の張り出しが例年より弱いからなのでしょう。


 案外と前線とは言わないまでも、積乱雲の発生や豪雨をもたらすような自然状況は牧之原台地から南側(駿河湾側)には出現しにくく「予報通り」に雨天曇天となっているのは台地北側の山側のみのような気がしてなりません。


 地図を眺めれば牧之原台地は微妙に太平洋に突き出ています。大まかにいつもの定位置付近に前線が居座ったり、毎度の如くの天気の動きであれば、この微妙なV型にも見える「張り出し」は他の静岡県の状況と異なる結果をもたらしているのかもしれません。


 海を眺めれば太平洋の空は雲一つ無い快晴。にも関わらず山の方向を見れば雲に覆われています。露骨に「今、雨に見舞われている」状況も遠くに見えたりします。


 この地は太平洋高気圧の勢力下にある「縁」にある場所になることが多いのでしょう。そのように日照時間を他所より期待できる良好な地であることと、柔らかな海風が牧之原台地の茶葉にうまみとコクを与えて、良質な茶葉を育成しているのだと思った次第です。 


 画像①②③が太平洋の方向。超快晴です。②の砂浜から奥が遠州灘、手前が駿河湾。⑥は相良方面を見た図。赤丸印に石灰山(女神山)が目視できます。⑧は御前崎の海水浴場の海の家。

以前は大型のそれらしい建物が連なっていたそうです。最終日の日曜でしたが、人は滅法少なさを感じます。

 北側方面にはズラっと白い雲が貼り付いています。あの雲の淵から南がハレ、北が雨と線引きされている様子が分かります。