ダイビング 面倒くさくてもう・・・

久し振りに何と応えていいかわからない、例の質問を受けました。ある酒宴の席です。

ビールやお銚子を私の席に置こうとした店の人に、「あちらへ」と言えば、お隣の方が「お酒を飲まれないとは、いったい何を楽しみにされているのでしょう」と呆れ顔。

その手の単純な質問は年に数回はありますので私としては「またきたか」程度でニヤっとはするもののやはりどう反応していいか未だわかりませんね。笑っているだけです。

 

 酒を飲むことと他者の紫煙は苦痛以外の何ものでもありませんが私にも「楽しみ」は人並にありますよ。

昨日には植木いじりの楽しみを記しましたが、海系のお遊び山系のお遊びそれぞれジャブ程度に浅く広くその時々に応じての趣味的お楽しみはあります。

 

 私は沖縄時代に「魔法のウエットスーツを着たインチキラクター」を少々経験しました。

これは現地の海人(うみんちゅ)の船長が船舶免許を持って内地からやってきて背中に「instructor」の文字の入ったウェットスーツを着ただけでビーチの花形に豹変するというバカバカしさを一言で嗤った言葉です。

 

 各種海のお遊びを主催する側のお仕事をしたのは、これも根っからの海好きだからです。

しかし今時この齢になって「海が好きなんです」などとチャラけたことは言えませんし、趣味は「寺参り」「墓参り」(墓場放浪)などとも相手に「意味不明感」を抱かせることにもなりかねません。

よってそんな質問が出たら「ニヤッ」としてもぞもぞしているのが一番いいのです。

何より下手に喋り出したら、とめどもなく語りだす自分があって、後から考えると恥ずかしいばかりの醜態となり得ますので・・・。

 

 ダイビングのお話、「旧インチキ」が思い込んでいることをのらりくらりと記します。

20代前半にダイビングの認定証を取ってからざっとハワイ・サイパン・グァム・沖縄各地をお遊び程度で潜りました。

坊守も勿論、船舶もダイビングもライセンスはありますが、そもそも両ライセンスとも日本特有のもの。

米国等では車検制度が無いと聞きますがそれと同様ですね。

お国の方で「安全管理」を前面に掲げてはいるものの、これはお得意の免許権者の既得権益で、海外に行けばそんなものの免許などそもそも無いに等しい自己責任の世界です。

 

 現在はどうか知りませんが昔は、極論を言えばどこのダイビングショップのツアーやタンクのサービスショップに行ってもカード(Cカードという認定証)の提示を求められることなどは殆どなく、稀に提示を求められたとしても「カードを忘れた」でOKでしたね。

どちらも御商売優先でしたから。

 

 ただしダイビングツアーなどに申し込む際には必ず免責の書面を書かせられます。過去の経験本数(タンク)を記す欄などは殆どの人が多目に書いて「経験者」を装うものでした。

また、ダイビングはしばしばパニックになって自滅する死亡事故が多いため、保険金が下りない「免責事項」(今は何かしら保険があるかも知れません)。

 

 よって身近でスキューバダイビングの死亡事故が起こった場合はタンクとジャケットは勿論、ウェットスーツまで脱がしてどんなに冬の寒い日であっても「ただの海水浴」を装うことが遺族の為に肝心なことであると教わったものです。

 

 私めのハワイで購入したスキューバプロ(通称Sプロ)の機材フルセットは健在ですが、レギュレーター(減圧して空気を呼吸する精密機器)の分解掃除が不可欠にもかかわらず放置したままであることと、この相良界隈にはタンクの供給所が無いということもあってここ20年以上は潜っていません。伊豆、真鶴などは行く気にもなりませんね。

 

 沖縄に生活していれば、暖かくてキレイな海にしか潜りたくなくなること、沖縄ならシュノーケリングで十分であること、そして機材のメンテナンスやそれら用意がやたらと面倒な事もあって、わざわざ機材を担いで行ってタンクを借りるなどということはしなくなりましたね。

 

  さて、南の島の不幸な出来事は、一言で言って天候の急変に尽きます。

そこのところはどちらの外遊びや業務に関わらず、事故に結びつく最大要因としてしばしば取沙汰されますが、今回私ごとき者でも「オカシイな」と思ったことがあります。

 

 どのくらいの風と海流が突如として発生したのか知り得ません。しかし船上で待機する者は潜水予定時間(20~30分)を過ぎると大抵は「そろそろ浮上」と心得て見張りを怠らないことが肝心なのですが、船で待っていた船長は「見失った」と一言。

 

 冗談じゃあ無いですよね、船はたった一つの命綱、船長は3時間現場付近でまごまごして当局に通報したのは日没間近とのこと。

現場を動けばますます不明となりますのでアンカーを入れてひたすら現場待機していたのでしょうか。

 

 タンクは深度によってエア残量、潜水時間が変わりますが、ガイドはどんなに引っ張ってもエアの残を1/2~1/3残しにするものです。

考えるに水深10m程度の移動で40~50分が限界ですね。海象からして判断してどんなに待っても60分で通報するのが普通でした。

 

 ダイビングは文字通り潜水しますので、事故といえば即「海の底」と思う方がいらっしゃいますが、ダイバーは必ずBCジャケットという浮力装置とタンク装着を兼ねたジャケットを着ていますので、ワンタッチで緊急浮上ができるようになっています。

 

 滅多に無いですが30m近く潜ってエア無し、突然ブラックアウトという失神、窒素酔いそして沈船や洞窟ダイビングでの浮上経路不明での事故以外のものは、まず間違いなく行方不明事故は「浮上は遂げられるも流される」という漂流原因が圧倒的だと思います。当初は溺死では無いのです。

 

 重点探索は現場海域の海の中では無く、海流と風を読んで「先の先」の水面も重点的に探さなくてはならなかったでしょう。浮上することによって風を受け、どんどん流される速度は速くなりますから。

 

 船長に「是が非でも」という緊迫感が最初からあればもっと違った結果になったかも知れません。

20㎞以上も流されたことを考えれば尚更でした。

 

 相良の目の前の海には愛鷹岩という岩礁があって、満潮時は隠れます。航行船舶が気に掛ける場所です。

こちらには潜ったことはありませんがさぞかしダイビングポイントになりうる場所だと思います。

 尚、愛鷹岩に因んだ相良の昔話(こちらにも)に登場するのが当山本堂御本尊とは離れて安置されているNO.2の阿弥陀様です。

画像は「インチキ」の称号、廃棄処分のボロを記念にいつまでも捨てきれずに持っています。20代の記念です。

②本堂と駿河湾との位置関係に今度キレのいい日に登るつもりの槙の木。向かって左の本堂の前のものだけ切る予定です。

 

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コメント: 2
  • #1

    小山昭治 (水曜日, 19 2月 2014 08:51)

    私も船の船長の過失だと思います。
    それよりも 近頃は女性がすごいと思います。
    いや男子が「いくじ」がないのかも。
    私も若いころはそうだったのかも。
    女性は外国へいくのに躊躇ありません。
    今度の場合も全員女性。
    留学でも女性が圧倒的に多いと聞きます。
    男性は弱いもので、強いと思っていることが間違いなのか。
    弱いふりをしている方が楽かもしれません。
    (その方が楽でしょう)

    いつものことながらくれぐれも高い所は気をつけるようにお願いします。

  • #2

    今井一光 (水曜日, 19 2月 2014 23:09)

    ありがとうございます。
    やはり男も室内で恋愛ゲームばかりやっているご時世ですからある程度「弱くなった」と言われても仕方ないですが、
    女性の社会進出とすべてのことにおけるその「情熱」には舌を捲く機会が多くなったことは事実ですね。

    周囲には男も女も結婚しない人ばかり。
    少子化街道まっしぐらで「老老介護Japan」の姿がいよいよ見え隠れする昨今です。コレって「滅亡への序章」といってもいいかもしれません。

    しかし「女は家に居ろ」などというつもりは毛頭ありませんが。
    何かうまく運ぶ算段、無いものでしょうかね。
    私の思案することではありませんが・・・。