古い鎌倉の面影 二階堂 覚園寺(かくおんじ)

鎌倉ハイキングのポイントはいいお天気の平日です。

首都圏の人気スポットですから平日といっても駅周辺の名所にはうんざりするほどの人が集まって、歩きにくくて仕方なし。

その辺りのところは散々鎌倉をけなして記していますが、比較的人が少なくて穴場の「いいお寺は」といえば二階堂の覚園寺ですね(場所はここ)。

 

本尊は薬師如来像ですが「十二神将」の戌の神=伐折羅大将のお話が有名です。

建保七年(1219)鶴岡八幡宮寺での将軍源実朝の右大臣拝賀の式典のお話です(吾妻鑑)。北条義時は従者として脇を固める予定でしたが、直前「夢の如くにして白き犬御傍に見ゆるの後」気分が悪くなってしまい急きょそのお役を源仲章に代わってもらったところが、代役の源仲章は、例の大銀杏の前で実朝ともに公暁に斬り殺されてしまいました。義時はその前の年に戌神が夢に出て警告していたことと、事件当日に白犬に化けた戌の神が我が身を助けたのだと思い、以後代々このお寺は北条家に庇護され続けました

 

堂内の天井の梁には足利尊氏自筆の銘が残っていることから戦争中、軍部は覚園寺に対してこの銘を消去・撤去せよと圧力を加えたそうです。

寺側はこれを拒否したために戦時中は、「国賊の寺」と呼び捨てられて、後ろ指を指されたり石を投げつけられたり屈辱の時代を送ったそうです。軍部(神輿担ぎ)の意味不明の言には驚愕で言葉もありませんが覚園寺の歴史を守るという姿勢にはブレが無く尊敬感服いたします。

異色の寺でお寺の方の案内付きの拝観(500円)ができますが写真撮影はきつく制止されます。10・11・午後1・2・3(土日12時あり)と案内開始時間が決まっています。

 

天園ハイキングコースからこのお寺に立ち寄るのもこちらのお寺からハイキングコースに登り建長寺方面でも金沢方面でも抜けることができますので特におすすめです。

出迎えてくれる仏像や堂、やぐらも楽しいですが緑豊かに残る古き鎌倉の境内に凛々しく立つ大木たちも圧巻です。

担当のお坊さんに許可を得ていただいたカヤの実。

昨年9月に境内に転がっていたものを頂戴しました。

 

2月頃ポットに植えてずっと音沙汰なし。土が乾かないように目を配っていたのですが3個のうちこのほど1個から芽が出ました。毎日成長を見守っています。特にカラスに摘ままれはしないかとびくびくしているところです。

このお寺は8月10日は縁日となって午前中は開放されるそうですが参拝者でその時ばかりはごった返すでしょう。

 

庭の中も撮影は絶対禁止ですので門前のみ。途中付近住民の優しさが思い浮かぶ看板とゴミ捨て場になってしまった天園登り口案内板のある分岐点。

下の画像①は覚園寺のカヤの実発芽状況。②はミズナラのクマゼミ1号2号3号の図。いつかブログで富士樹海遭遇事件について記しましたが、青木ケ原樹海に立つこのミズナラの親である大木に魅せられて3年ほど続けて会いに出かけていました。

その木は樹海では有名な木ですよ。

そのドングリを拾って発芽させたものがここまで育ちました。10年程度経ったでしょうか。

 

左下のガジュマルは小さな苗から。冬はさすがに辛そうですがもうずっと越冬しています。ミズナラは寒いところが大好きな木ですので今の季節、辛そうです。クマゼミにやたらととっつかれて気の毒ですね。

梛の木は数年バッサリとやりつづけていたため実が出来ず、今回は種をとるために伸ばしています。