「銀杏の乳」「杖銀杏」とは?  善福寺

「乳」とは健康食品でも何でもありません。

銀杏を切れば確かに体に付くとかぶれるやっかいな樹液が出ますがそれとは違いますね。そしてエメラルド色が美しく美味な銀杏の実とも関係ありません。

 

「銀杏(イチョウ)の乳」とは大木となった銀杏に特に現れる垂れ下がる気根のことで「カタチ」をイメージしたものです。

当山、波さん(昨日のブログ)が仙台藩江戸屋敷からの奉公あけに頂戴した聖徳太子像はその「銀杏の乳」を材料として作り上げられました。その乳の持ち主が麻布山善福寺(場所はここ)に今も残る大銀杏です。真言宗の寺を親鸞聖人が立ち寄って真宗に改めています(現在は本願寺派)。

 

そのとき銀杏の枝杖を差したものが芽を吹き成長したという伝承があり、樹形は下から上に向かって枝が伸びている様な姿から「逆さイチョウ」とも呼ばれています。

大きさは私の知っている限り最大クラス、幹回り10.4m、樹齢750年以上の大木で、国の天然記念物になっています。

昭和20年の東京大空襲で寺は被災していますが、この大銀杏も相当なダメージを受けたとのことです。今はみどり色の健康そうな葉を茂らしていました。

  

さて、麻布といえば東京方面に詳しい人ならずとも一種独特、近寄りがたい場所というイメージでは無いでしょうか。

田舎者の拙僧などあそこいらを歩けば不思議で何ともいえぬ浮揚感を感じます。場所も色々な意味で「異国的」(高級外車に外交官ナンバー)で要は「浮いている」といった感じでしょうか。土地の価格も国内トップレベルで「何処かの町」とは違って露骨に「値が下がる」などということはあり得ない場所ですね。

 田舎者の次男は「絶対に暮らしたくない」場所と言ってくれて少しはホッとさせられました。

 

現実的に言ってここに住まうことがあり得ないことは分かっていても乃木坂や六本木、広尾という土地同様に「憧れや夢の類」であったとしても子供に「住んでみたい」などと言われるのはケチな「出世願望や勝ち組になりたい願望」を抱くイヤな奴になったと勝手に思い込んで、いたく寂しくなりそうな気がしますので・・・。

 

 しかし善福寺境内、墓地に立ち寄れば息がつけるというもの。

東京のど真ん中とはいえ閑静な空間が広がります。

境内に併設された幼稚園から時折聞こえてくる子供たちの声がよりほのぼのとさせます。

 古刹善福寺は当然の如く寺領は広く所有していたそうですが墓地域も大都会の割に相当広いです。

丘上からは東京タワーも望めますが圧巻は「元麻布ヒルズ」の威容。元は善福寺の所有地で森ビルが開発した超高級マンションです。

 

善福寺のバックに控えるということで「和ろうそく」を意識した形状とのこと。

ちなみに中古物件情報によると2LDK、110㎡前後で2億円オーバー(29階222戸)。賃貸ですと、110万以上、敷金は4か月です。

 

「へ~え」・・・ですね。

ミックスキャンデーみたいなキャンペーン「飴のミックス~アソーと~」の「戦略」とはこういう所に棲む人々のみに恩恵を降り注ぐような気がするのは私の如く、心も懐も寂しい者の僻みでしょうか。

そうですねぇ、やっぱり原発を開けるのなら東京湾でお願いしますよ。

それが公平だということでしょう(東京の電気は東京で)。

 

つい筆が端折って、それでいて尚も記したくなります。お許しを。

これは穿ってイメージしているとご指摘を受けそうですが、小生のような貧相で姑息な発想のみしか持ち合わせていない者の「東京あたりの嫌悪すべき輩」のイメージは、最近のニュースの主人公たちです。

 

外務省人権人道担当大使で委員会にて

「shut up!(黙れ)」と恫喝した上田秀明殿や好きな事ツイートしまくった復興庁の水野靖久参事官殿、野球界では「不祥事と思っていない」と保身の加藤良三コミッショナー様の顔が思い浮かびます。

 

明治以前は責任の取り方はスカッとしていましたね。

それは腹を斬ることですよ。

新喜劇の様に「死ね」とは言いませんが職を辞するのは最低限必要な事ですね。責任の取り方が下手というかあまりにも自分本位に振る舞うことが許されるご時世であるということなのでしょうか。

役人様は自らの仕事にあたり国民の僕(しもべ)と思って

常に「命がけ」で仕事にかかって欲しいものです。しかしながらそういう気概は「ゼロ~」でしょう。申し訳ないですが感じて来ませんので・・・。やはり誠意というものがあれば人は何か感じるものがあるでしょうね。

 

個人的横柄な振る舞いは日本人全体を嘲笑の的に陥れ、「恥辱の人種」のイメージを海外に公言しているようなものでしょうね。

あの仕事振りではまるで国家のシロアリみたいなものです。

コミッショナー様も元はお役人様でしたね。先行して暴言を放ったハシモト氏もその後、強がりを言っていましたが相も変わらずみっともない御姿です。おっとこれは新喜劇本場のオオサカの珍名物でした。

 

まぁ役人の性質とか凡人が権威を傘にした時の豹変というのか、これは人間そのものの性(さが)なのでしょうから素直に諦めるのほか仕方無いのでしょう。

そして何よりバック集団の自浄努力というものが無いに等しいというのが今の風潮ですのであまり期待もできないところですがね。

願わくばこれからもドシドシ腹の中をさらけ出して本音の所を晒してくださいますよう、頼みますよ。 

 

画像①~③は杖銀杏、垂れ下がった「気根」がありますが、今となっては勝手に切り取ることはできません。天然記念物に指定されていますので・・・。近くには親鸞聖人の銅像が建っています。③は親鸞聖人像の後姿と銀杏。④が銀杏から立ち上がっている様に見える東京タワー。

⑤は「勅使門」です。1274年に亀山天皇の勅使寺となった時に命名されたそうです。昭和20年5月25日の空襲で焼失したものが再建されました。

麻布山に入る近くの通りは今も仙台藩屋敷の名を遺す「仙台坂」と呼ばれています。