決して無駄では無いけど 使い捨て 消耗品

昨日の「梁塵秘抄」の今様にうたわれた楠葉牧で土器を焼いていたグループは連想するに土師氏(はじし)という古墳等墳墓の埴輪や葬送のための器具を製造していた系統でしょうね。

仁徳天皇がその姓を与えていますのでまさに当時の特別職だと思います。

時を下って、素焼きの土器類の製造や焼成にいたるまでを家業として伝えて全国に広がって行ったのでしょう。

 

封建時代のいわゆる底辺を構成する庶民の事を「石つぶて」「かわらけ」の如きというようなことがありますがその「かわらけ」を漢字であてれば「土器」「瓦(かわら)笥(け)」ですね。特に釉をかけない素焼きのものをいいます。

「石つぶて」も「かわらけ」も「使い捨て」の意味ですから人に当てはめたら物凄く価値が低くて命の意味すら無いとのことでしょう。

 

余談ですがこの言葉を聞くと私は、映画「ランボー」シリーズの2だったと思いますがスタローン扮するランボーが船の上でしみじみと自分の事を「Expendable」=「捨石」と言っているシーンを思い出します([消耗品」とやんわりとした訳もありましたが・・・)。

「捨石」を人間に譬えるなどとは「いかに残酷な」と考えたものです。あとその「捨石」のことを別の譬えで「パーティーに欠席しても出席者に忘れられている男」とも。

要は「時として無くてはならないものであって少しは役に立つが人前にふれるものでは無く地味な裏方で人のために命を投げ出す」ということでしょうか。

この思想こそ「政治家」が持つべきでしょう。その気概で仕事にあたるべきなのですがね。

 

さて、「かわらけ」は使い捨ての土器ですね。

大量生産されてドンドン使われて捨てられるので色々な遺跡から出土しています。よってどこの資料館に行っても見ることは出来ますが、前回行った小田原城御用米曲輪でも特別に発掘された戦国時代のかわらけが展示されていました。

 こちらでも墨書きがされたかわらけが出土しています。

小田原城周辺では御用所跡など限定的な出土となっている様ですが解読の結果「〇つのうち/○○/〇〇らけ」や「〇〇んてい」「御ん〇〇」など、現在のところ意味が不明だそうです。

 

画像は現場に展示されたかわらけ、参加者でつい手に取ってしまい担当者に「どっちかられていた」人がいました。

①の画像は灯明皿として使われた痕の残るかわらけ。

②「左回転ロクロの成型」とあります。

 

土師氏の系統の菅原道真に縁のある大阪、藤井寺の「道明寺」は和菓子の道明寺発祥といわれます(近くに「土師の里」駅があります 場所はココ)。

③道明寺はこの頃の季節の味わい、桜餅とともにもて囃されます。これらとお茶が最高の御三時です。