梅に鶯、紅葉に鹿、菜の花に蝶

「菜の花忌」すぎに想う。

 

「一雨ごとに温かくなってきます」はわが国の暦、「立春」をすぎたあたりからよく挨拶等の中で見聞きする言葉です。

我等日本人にとってはいたってワンパターン的言葉の1つではありますが、まだまだ寒く我慢の中、待ち遠しくも温かい春への期待がこもって、嫌みのない語彙ですね。

 

 しかしこういった季節や風景、天候のイメージは国、地域によって、日本国内でもそれぞれがまったく違う感覚で捉えられます。

特にそれぞれ外部から来た人の感覚と所謂ネイティブ、ずっとそこで生活をしていた人たちとのギャップはかなりのものがありますね。

 

 現代は人々の流れも頻繁になって余程の特異性の無い限りその地方地方の趣に感じ入る機会は少なくなってきましたが、この四季があって温帯的寒暖差も味わえて、比較的安定した地域に居住している日本人であっても先日の様に食文化の違和(→伊勢うどん)について微妙な人の「感覚」の違いを含め、感じ入るところ大ですね。

 

 それらを一言で断じてしまえば「価値感」なのではありますが、この多様性こそが文化であり、それを受け入れることから共感が生まれて来るのだと思います。

 

標記「梅に鶯、紅葉に鹿、菜の花に蝶」は柳田國男が嘲笑した軽薄な象徴的イメージです。人の価値観、感覚、地域、風土そして何より口から出る「言の葉」、私など、どうあがいてもうまく伝えられませんし感じきれません。

沈黙も花ですが、悲しいかな断片を寄せ集めたのみのこの「お花畑」(おつむ)、拙きブログにて一所させてください。

 

2月12日は司馬遼太郎の命日「菜の花忌」でしたね。

画像は境内の梅、水仙。

そして渥美半島田原市内の図。菜の花まつり開催中。

民俗学者、柳田國男の第一歩がこの地でした。