世の中トンネルが多いのは山国だから?

今でいう東海道線、鉄道を当初敷設する段階で、山沿いの旧東海道沿いにするのか、海岸線を通すのかで論議がもちあがったといいます。(前にブログでも記していると思いますが・・・)

最初はトンネルの多い旧東海道沿いよりも海岸沿いのなだらかな平地を通す方が有利に動いていたそうですが、最終的に旧東海道沿いに決定しました。理由は海岸沿い、大井川周辺の漁業関係者の「漁獲量の減少」という難癖を避けたのだとも聞きます。

 

 例の座礁船が相良海岸に鎮座して間もなく地元の漁協の代表クラスのどなたかが突然、「漁業従事に大打撃」風の事をテレビで言いだした姿を見て思わず吹き出してしまいました。

それまで色々漁業関係者の談を伺っていましたがまったく運行の邪魔にもならなければ漁獲とは関係ないと仰っていましたので。

 

 まぁ、私のお世話になった沖縄のホテルでも漁協対策(漁業補償)のウェイトが高かったことがとても印象的でしたしこちら御前崎あたりの漁業従事者が浜岡原発による莫大な補償補填を受けて「毎日仕事もしないで遊んでいる」なんて噂もまことしやかに広まっているようです。

 

さて、そういうことでこの駿遠榛南地区は発展からおいてけぼりになってまた、諸般昨今の事情もあって人口減少に歯止めがかからず、沈滞ムード漂う場所になって今更後悔しても遅い大失敗があったことは歴史的悔恨の一つですね。

 

かくして、旧東海道の近くには国道1号線、1号線バイパス、東海道線、東海道新幹線が寄り添って大動脈を形成しています。そして終には第二東名まで出来て「山側大繁盛」の様。

わざわざ山谷が多い山岳部に幹線を通す理由は規模の大きいトンネル工事、橋梁工事により多大な予算を投入するためであるのかと勘繰ってしまいます(公共工事)

 

 人口密集地となった海岸線の用地買収が思うようにいかないという理由もありましょうが、今回の中央道トンネル崩落でトンネルの多さが殊に多く、そのメンテ、維持補修がいかにテキトーだったことかがよくわかりました。

 

  一番の注目点は排気の浄化設備がトンネルによって違うことです。

これはトンネルの受注元請けが均等に振り分けされているので落札者ごとにその形態が異なっているのではないかと勝手に推測してしまいます。

要は談合などもそこかしこであって安全最重点に掲げられるべき工事に画一性が無いということです。

これは整備する側にも統一された整備マニュアルが無かったということが推測できます。

 

 驚くべきことは吊天井が接着剤で留められていたことなのですが、中日本高速道路(株)の社長さんは天下りでは無く住友スリ

 エム(株)の横滑りであることはいいのですが、このスリーエム社は「接着剤」の会社であることはただの皮肉では無いような気がします。

 

 そういえばちょうど一年前この社長さんは中日本高速道路の部下が第二東名の用地買収に絡んで詐欺・脱税で逮捕された時、「コンプライアンス遵守」についてテレビで語っていましたが、今回の件は不作為による事故であり、下手をすれば「保全をしないことによって発生する事故の発生が予見できた」とすれば「未必の故意」にあたるやも知れずそうなるとほとんどコンプライアンスを超えた「殺人」事件。

たくさん報酬のあった方で、その人の管理者としての安全への不配慮が起因した事案の命の代償は重大なものがあるでしょう。

 

 どちらにしろあの社長さん、業務上過失致死、致傷は免れないところ。

道路会社はガッツリ儲けて、安全管理をケチっていたと云われていますが、やはりそういう体質はどこかでツケを払わされることになるのでしょうね。

 

ちなみにブログでも記しましたが私が経験した仕事のうち高速道路の作業(公団関連会社)ではトンネル内での作業が一番嫌でしたね。

排気ガスは息苦しく手元は暗く騒音は自らの安全確認を疎かにさせ集中力を欠くことになりますので。

 

 嫌な場所での作業、それがマニュアルにあったとしても「仕事でも気が重い嫌々」になるはずなのにマニュアルに無かったのなら絶対に積極的にやろうとは思わないことは手に取るようにわかりますよ。

まぁマニュアルやシフトに無かったらハナっからやりませんが。

 

画像はトンネルつながり。 高速道路のトンネルとはまったく関係がありません。

榛原郡吉田町、小山城の西側、県道230号住吉金谷線の備前守隧道と呼ばれるトンネルです。

備前守とは大熊朝秀。

上杉、武田と渡り歩きこの城には武田方城代として入りました。

よってトンネル出入り口上部を飾る旗のデザインは武田菱。

ここでの武田人気も揺るぎないものがあります。

 

 

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コメント: 2
  • #1

    小山昭治 (火曜日, 18 12月 2012 08:51)

    海で蛤を取ると漁業権の侵害になり
    処罰されるとか。
    何で?
    蛤を漁業者が放流しているとは聞いたことがないし
    採って生活をしていることも聞いたことがない。
    なのに漁業権が存在するとは。
    原発の保証も然り、
    原発で魚が取れなくなったならその分を補償するのは当たり前。
    でも漁獲高に変化がないなら補償の必要があるのか。
    そんなことの理由を聞いてみたい。

    それに比べて商業者は弱いもんだ。やはり
    士農工商、一番下だ。

  • #2

    今井一光 (火曜日, 18 12月 2012 23:07)

    ありがとうございます。
    世の中良く考えれば考えるほど
    判らないことばかりで、おかしなことも
    たくさんあることがわかります。

    少なからず不公平感が漂っていることも。
    何とかめげずに励んでいければと思います。