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駿河湾で“巨大津波”発生の恐れ!研究チームが警告

                   20120723各社

 

東海地震が懸念される駿河湾で、海底面を大きく持ち上げ、津波を巨大化させかねないひずみがたまっている場所があることが名古屋大などのチームによる調査で分かった。最寄りの海岸である静岡市の清水港まで約10キロと近く、短時間での津波到着も予想され、避難指示が間に合わなくなる恐れもある。

 同じ仕組みのひずみは日本周辺のほかの地域でもたまっている可能性があり、研究者は「観測網の整備が急務」と指摘している。

 駿河湾では、2つのプレート(岩板)が重なり合う境目が、駿河トラフという細長い海底盆地をつくっており、トラフの中心線(軸)付近にひずみがたまっていることが分かった。

 トラフの軸周辺は、海側のプレートが陸側のプレートの下にもぐり込んですぐの場所で、海底下5キロまでの比較的浅い部分でひずみがみられた。トラフ軸付近で地震の揺れによりひずみの力が放出されると、海底面を持ち上げ、すぐ上の海水を大きく揺らしやすい。

 

チームの田所敬一・名古屋大准教授は「東日本大震災でも津波を大きくした要因の1つだった」と指摘する。

 チームは衛星利用測位システム(GPS)と音波を利用した機器を使い、海底の変動を調査。駿河トラフの西側に当たる静岡市の清水港から南東約10キロの地点では、地形が1年に約4センチ西に動くような力がかかっていることを確認、ひずみがたまっていると推定した。

 内閣府の中央防災会議は、駿河湾で大きな滑りがあると、湾内でも場所によっては10メートル以上の津波になるとしている。

 

駿河トラフと東海地震 

駿河トラフは静岡・駿河湾から沖合に向かって延びる海底の盆地状の地形。陸側プレート(岩板)の下にフィリピン海プレートが沈み込む境界部分とされ、東海沖から四国沖にかけての南海トラフの北東端に当たる。東海地震は主に駿河トラフ沿いで、東南海地震はその西側で起きるとされる。東海地震は連動して起こった1854年が最後で、他の地震より切迫性が高いとされる根拠の1つになっている。