頭の痛い車のこと

平成2年初年度登録の我が趣味(海山遊び、城攻め)における絶対必需品である

四駆をついにあきらめる時が来たようです。

気分的に「ぶつけてナンボ」の雰囲気になりつつあったきっかけは小笠山砦(笹峰御殿)の中腹まで車で侵入し途中、連れの友人を案内すべく嫌がらせの如くに「登城口正面の小笠神社参道からでは趣が無いから」と難癖をつけて、南側山腹のため池からの尾根伝いを行く行程を選択した時からです。

停車時うっかりして藪の中の灌木に接触してしまいテールランプが割れてしまいました。当初は「テールランプぐらい」という気持ちでいましたが、ネットの中古パーツ市場では1年近く待っても同型は出てきません。古すぎてもはやパーツは無いようです。

思うに17万キロ(年式の割には乗っていない方です)、この車には並々ならぬ愛着がありますが「彼」には相当の苦痛を強いられた経験、数知れず。

そのたびごとに周囲からは「そろそろ替えろ」という御指摘はあったものの私の方は「目標25万キロ」とお気楽な目標をたてて、こまめに修理費用を捻出してまいりました。

先日もクラッチディスクと電気系を交換したばかりでした。

 しかしこのほど限界を知らしめられたわけでございます。

中でも「その苦痛」のうち大きなものを羅列いたしますと・・・

横浜生麦事件の、あの辺りを夜間通過中、交差点でクラッチがスカスカになってギアが入らず走行不能。金沢区柴町の家まで京急(生麦→金沢文庫)で帰り、家の近くでトラックを借りて人を頼んで一緒に牽引、回収に行きました。

勿論終了は午前様でしたね。

長篠城の帰りには電気系が全部落ちてエンジンを切ると、セルが回らずで「押しかけ」または車を停めてしまったらチャージ依頼。

夜間無灯火で何とか帰宅しました。そういうこともあって春先には電気系コンピュータ含め更新したばかりでした。次回はこの4、5年効かなくなったエアコンのガス漏れパイプの交換を予定していたところでした。

 前輪のブレーキキャリバーには相当苦労させられました。

ケチって二つ一緒に変えなかったのがいけなかったのですが、そのたびごとに恐怖を味わいました。よりによって決まって症状の出るのが山の上の頂上です。これは偶然では無いですね、クネクネ山道をブレーキ過多で走行するのですから・・・いい感じで登りきった頃に発症するのです。

キャリバーの症状は何しろ車の年式が古いからだと思いますが・・・。

ブレーキ動作させるということは油圧で車輪一体のディスクを挟み込んで制動させるということなのですが、当時、それを挟んだきりで戻らないという症状が頻発していました。ブレーキペダルを踏んでいなくても微妙に「ブレーキをかけている」状態ということです。

走行時はパワーが勝りますので気がつきませんが、ブレーキパッドとディスクは常に接触していることとなります。注意していれば異常発熱で異臭がしますし、水たまりを走行したり雨天ではホイールから湯気が出ます。

今まで偶然「運の良さ」だけで切り抜けていたことは事実でしょう。

最悪の冷や汗モノはやはり今春の雪の岩村城でしたがコレは車の不調ではありませんでした。ナビへの過信と運転の未熟さでした。

しかしブレーキ系の不調で一番の恐怖を味わったのは天竜上流の高根城へ大井川経由で遠州中央の山脈を東から西に横断した時です。

天竜スーパー林道の分岐点、頂上から下り出したところでブレーキがスカスカになったことには「ガクブル」でした。

下っている最中にブレーキペダルの抵抗がまったく無くなって床まで「スコン」と踏み切ったあの感覚は恐怖以外の何物でも無いですね。

低速ギアとサイドブレーキで何とか車を停めてからブレーキオイルを確認するとオイルは十分満たされていましたので一安心。油圧自体が無かったらノーブレーキと一緒ですが私の車の症状はブレーキオイルが熱で沸騰した結果、泡が出て油圧が効かなくなったのでした。

基本的にブレーキ(摩擦によって制動させる)を踏む頻度を少なくすれば発熱は抑えられます。

その時はホイールが熱せられてチリチリいっていましたので休み休みブレーキに負荷を与えないよう低速そしてローギアで降りきって観光しつつ何とか帰ってきました。

 今一度は花倉城のミカン畑の頂上でしたがその時はブレーキパッドが摩耗しすぎてまったく無くなっていました。ディスクと金具の接触でカリカリ言いながらエンジンブレーキとサイドブレーキで帰宅しました。そんなこんなの不調パーツをこれまで悉く新調して対応してきたのですが、このほどの絶不調に際して、「これはもう」とあきらめることとなった次第であります。

どうして人の忠告を聞いてもっと早く動かなかったか少しばかり後悔しています。

この車が好きで長い間、他車に対してまったく興味がおこらなかったこともありますが世の「次々に車を代える」風潮に違和感を覚えていたことも遅れをとった原因です。

本当の贅沢はずっと同じ車に乗ることだったの如くですね。

頑張ることは当たり前ですが「頑張れば頑張るだけ疵が深くなることもある」の一例です。

常日頃「諦めはすばらしい」と言っている割にダメでした。

 今のあの車の状況は酷いです。症状が出たのは4月頃ですが1速、2速へのシフトが3回に1回の割合でしか入らなくなりました。

最近は3速もシブってきました。エンジンは絶好調で一旦走り出せば何ごとも無いのですが、交差点等で一旦停止したあとの再出発がなかなか出来ないのです。初心者の如くモタモタして後続車に煽られてしまいます。

修理依頼に出すと「ミッション全替えの恐れ」と宣告されましたので今回思い切って結論を出しました。

面倒なことでしたが車種選定まで済ませました。

もちろん行く場所が場所ですので四駆です。燃料はジーゼル、シフトはマニュアルであることは前と変わりません。なかなか見つからないものですねマニュアル車。

自分が今後、より一層ボケだしてブレーキとアクセルを踏み間違えることを考えればマニュアルを選択したことはべストと思います。

父親の免許証を本人と周囲の反対を押し切って取り上げて返上させたことも・・・

「前住」は境内の中でしたがペダルを踏み間違えて親鸞さんの土台に突っ込んで廃車にしていますから。(懲りずにすぐに購入した車のキーは隠しました 「陰湿でいじめ」と妹から怒られたものです 結局その車は妹の娘が持って行きましたが・・・)

今の車、だれが乗ってもエンジンをかけてアクセル踏めばすっ飛んでいきます。

考えてみれば恐ろしいことです。

まさに殺人凶器ですね。若者、年配者そして病気を抱えている人を差別してはいけませんがあまりにも無茶苦茶な自動車事故が多すぎます。

老齢や病状から運転の可否を厳密に判断することは難しいでしょうが、もし規制しようとすれば自動車会社がこぞって反対するでしょうが。 

まぁ「自分は大丈夫」「安全です」なんて言っている輩が一番危ないのが定番です。

自分が一番ヤバいんです。いつの世も。日々劣化しているアタマに気が付かないとしたらさらに・・・

「未熟さと人間が絶対に陥る過ち」を常に頭に入れておきたいですね。

難しいですが。