ギリシャ ユーロに残れるの?  「徳政令」

紀元前2000年以前の発祥、4大文明の一つ「ギリシャ文明」を開花させ多くの哲学者、智者と技術を輩出した「文明文化のエリート」、ギリシャに世界が注目しています。

日本列島に「歴史」というものの足跡を残した頃と言えば弥生時代~古墳時代ですので(それだって何やってるのだかさっぱりわかっちゃいません・・・)歴史の深さというもので比較すればざっと3000年の差が。人間の熟成度というものがあったとしてもそれは計れませんが。

 ギリシャ経済がリーマンショック以来、優遇税制と公務員数の多さ、政府の怠慢政策もあいまって「わが世の春」が破綻して、世界を巻き込む大不況のきっかけとなりそうな状況といいます。

ここであの国の人たちのエゴ丸出しの国民性を垣間見たような気がしました。

まるでその歴史の重みとか責任というものの無い、私の知っている『温暖地域特有』の地域性というか、それらの国々に特に顕著な「緩慢さと自己中!」を露わにしているようでもあります。

 ギリシャが勝手に破たんして国民が困窮生活になるというこは、借金をしてまで身の丈以上の贅沢をしていたその咎として受容すべきではありますが、問題は750億ユーロ、約6兆円の海外からの借金なのです。

選挙で緊縮財政路線に反対する野党が勝利する可能性がありますが、当然「ユーロ圏離脱」というシナリオが待っています。そうなるとお決まりのコースが「デフォルト―債務不履行」なのです。

今時、「借りた金を返さない」「チャラにする」「借用書を無効にする」という話でもめるのは民事のことで、そんな話が国レベルで実行されればギリシャ1国に限らず、世界中、他所における国家間の「信用」にまでもひびが入り、すべての経済活動をも根底からひっくり返されることになってしまいます。日本の銀行がギリシャにカネを貸してなくとも貸してるところが日本から借りているので元が壊れれば結局日本も壊れるという芋づるで繋がっているのです。

 我が国近代では支払猶予令 (モラトリアム)という手形の決済や預金の払い戻しなどを一時的に猶予して金融の混乱を抑えるという「準徳政令」が関東大震災後や昭和金融恐慌の際に出されていますがこれは「猶予」であって「チャラにする」ものではありません。

 しかし似たような施策が鎌倉~室町期の「徳政令」です。

今のように貨幣経済が広く流布されていない時代で、日本国内の金融業者(土倉-どそう)や一部の富裕層のみへの被害しかありませんでしたので、国政への影響としては一揆等で不満を爆発させた借金やカタに抑えられた側へ迎合する「弱者救済」「一揆鎮静」型の求心力を回復目的の施策といってもいいでしょう。

鎌倉期では御家人救済型が多かったのですが室町期に入ると徳政令渇望の土一揆なども頻発しました。

足利義政と日野富子の時代におこった土一揆に対して、「分一徳政令(ぶいちとくせいれい)」というものを発布しています。

債権債務額の10%を手数料として幕府に納めた紛争当事者に対してその債権債務の「存続を許す命令」を出しましたが、土一揆の頻発が納まらなかったため、のちに借主が幕府に借金の10%を払えば「チャラ」にするというものを時としてアレンジして追加したり、土倉の弱体につながるということから「徳政禁制」という契約破棄禁止令を出したりしています。

債務の1割が幕府の収入となるので幕府は味をしめて財政再建のために濫用しました。

どちらにせよ民事に介入し手数料をとって強権でもって認めさせてしまうというのでは「信用」というものが欠落し、まともな経済活動など怖くてできないでしょうね。

 戦国時代にも意味合いは違いますが各地で領主交代の目出度い時に発令されたようです。