安城行脚-本證寺

梅が咲いた翌日三州は安城へ。まずはかつての大澤寺の「親寺」本證寺。 (→本證寺末大澤寺)一時は末寺の数、208か寺を数えたといいます。

 

一向一揆の拠点だったころは二重の堀と土塁を配してまさに城塞寺院。

現在も周囲にはその面影が残されています。

本堂の大きさもそうですが度胆を抜かされるのは庫裏。

庫裏がまるで本堂の威容。

本證寺の庫裏
本證寺の庫裏

その日はこれまでお会い出来なかった「イブキ」についてお話をお伺いしたかったために庫裏まで尋ねしてしまいました(庫裏の画像は絵葉書のものです)。

 

というのもこちらのお寺には愛知県指定天然記念物のイブキがあることは承知しておりましたが周辺をグルっと廻ってもそれらしき木が見当たらずどうしたものかと困窮した果ての訪問でした(前回は勝手に「もう枯れたのだろう」と解釈して引き上げていました)。

 

当方の素性を明らかにし事情を説明したところ坊守様に特別にご配慮いただきまして奥に通されました。「写真には撮れないですよ」とのことでした。

 

樹木を尋ねたにもかかわらず庫裏の奥に通されたのはイブキのある場所が庫裏の裏にある書院への渡り廊下や建物に囲まれた小さな中庭だったからです。

これでは全景をカメラに収めることはできませしどうにも発見できなかったことが納得できました。

以下イブキの説明板の内容です。

 

 

本證寺のイブキ 愛知県指定天然記念物

                     昭和53年1月17日指定

樹高23m根回り3.58m 

イブキは一名ビャクシンともいいヒノキ科に属する常緑高木でわが国では本州・四国・九州の主として海岸地方に分布し、しばしば巨樹を呈する。

本證寺のイブキは樹勢きわめて旺盛、樹形も優美で知立市の県指定「万福寺のイブキ」および常滑市の未指定平野家のイブキと並んで県内有数の巨樹である。樹齢については確認しえないが、通称800年とされ、また親鸞聖人御手植えの伝説がある。      安城市教育委員会

 

ということで大澤寺のイブキは・・・

大澤寺のイブキ
大澤寺のイブキ

大澤寺のイブキは最下部の周囲が3mです。

本證寺のイブキの「根回り」の表現と同様と思いますが一回り小振り(約58㎝)になります。

 

高さは20mは無いでしょう。

しかし大きさはなかなかの太さですね。

樹齢を本證寺に換算すれば670年?

ということは波津大澤寺移転前からここにあったことになるか新町から移植されたか・・・樹齢も含めてすべて推論です・・・

藤枝の蓮生寺にもイブキがあります。

当山のイブキは近江伊吹山への思いからとも考えておりましたが実際のところよくわかりません。本堂にかかっていた枝をかなり切り落として、椅子の足にしたりしましたので不格好ではあります。本證寺様では県から指定を受けてしまっているので「枝を切ることすらできない」とのことでした。