「無知との遭遇」 伊勢物語 伊勢名物

本年最後のボヤキの締めはコレしかないでしょう。

 昨日は、墓場放浪、「奥の墓道」の「道」の先には「未知」なるもの、新しい出遭いが待ち受けていることを記しました。

しかし鳥羽で食した「伊勢うどん」にて人生最大ともいえる味覚に於ける「違和」に衝撃を受け、まさかそのあとスグ立て続けにこのようなショッキングな、それもその場で立ちすくむが如くの事案に出遭うなどとを誰が予想したでしょう。

 

 伊勢方面行脚の前夜は「ちゃっちゃっと」牛丼で満腹を得たものでした。早起きして遅い朝食がそのうどんでしたね。

そしてお伊勢界隈での食べ歩きを渋滞と人混みに辟易して諦めて、向かったのが松阪(坂)城でした。

松坂城周辺をブラついてから食事をとろうと、街中を回遊すると既に昼時はすぎて気の利いた風の店など、どこにもありませんでした。

 

無知の恐ろしさというかそんな時、目に飛び込んできたのが「松阪牛」の看板でした。

「そういえばそんなのがあったなぁ」くらいの感覚で、少しは値が張りそうだが、スーパーで見る程度、「ちょっと高いくらい?」だろうと、たかをくくって相方と「折角だから」と安堵説得するような言葉を発しながら、その店に飛び込みました。

 

 店頭に何かメニューらしきものが記されていましたがその時はそれに目もくれずに店先に進み、案内されるまま靴を脱いでから和服の女性に二階の座敷へ。

 そこに着座して初めて、客には専属のお肉を焼き、すきやきの手筈を整える担当の女性の「世話人」が付いてくれることと、すでに昼時のメニューの選択肢は無く、「これになります」と指定されたのが、私たちが未だかつて目にしたことが無い「ランチ」の価格でした。

 

 血の気が引いて顔色が蒼白になりましたが、その場から立ち上がる勇気は持ち合わせず、「まな板の鯉」、ニッコリと作り笑いをしてオーダーさせていただきました。

  あらためて涙目ながら財布の中身を確認してから、「ため息」に次いで、どれほどすばらしいお肉を味あわせていただけるかとの期待、非常に複雑な心持。

 私が実際その「ホンモノの肉」とやらを食した感覚は、果たしてうまいかまずいか判らないものでした。私たちが牛丼屋で食させていただいている慣れ親しんだ味、オージービーフやアメリカンの類のものとはまったく違うものでした。

まさに人生終わりかけ?に体験したサプライズでした。

 要は箸で食べられるお肉。ナイフなど不要の代物でこれまでの肉の概念を一掃させられました。

 

  私はスーパーに並べられているお肉で十分ですし、あのお上品すぎるタレ、「ポン酢」系というのがどうしてもいただけません。

野暮野卑と笑われましょうが、それも市販の「エバラ」か塩コショウが一番ですね。

最初で最後のドタバタ行脚、尻尾を巻いて早々に退散した伊勢路でした。

そもそも肉食も程々にしなくてはならない頃合いでもありました。

「美食」などいう言葉に隠されている罠にハマれば恐ろしい終末が待っているような気がします。

 

画像①「敷居の高さ」もあった、趣溢れる店構え④「炭火網焼き」を選択しました。

 

2013年、上手いこと繋いで来られましたが来年はどうかな。

すべておまかせです。ありがとうございました。

 

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コメント: 2
  • #1

    小山昭治 (火曜日, 31 12月 2013 08:46)

    今年一年楽しませてもらえました。
    ありがとうございました。
    来年も楽しませてください。
    爺、婆が健康で暮らせることを祈念します。
    (私が祈念したからと言って変りはありませんが)

  • #2

    今井一光 (火曜日, 31 12月 2013 17:35)

    ありがとうございます。
    一年御世話になりました。
    御当家皆さまも健やかな年を迎えますよう。
                  合掌