彼岸に咲くヒガンバナ 歴史の中の生活感

植物体内時計の不思議、秋分の日が近づくとニョキニョキ地中から茎が伸びてきて脇道や人家の隅っこ、墓地周辺に咲き出すのがこの花。画像①わが境内の水屋の奥のものは「白」。

朱が主流の種にあって家主同様「変異」でしょうかね。

 花が咲く時期と葉がつく頃はタイムラグがありますので花そのものが単品で目立ち、また群生することが多い花ですね。

一説に日本中のヒガンバナは大元、自生ではなく、またDNAが同一だとのこと。

大陸伝来で仏教と同じ、鱗茎(球根)が稲作の輸入と同じに我が国に入ってきたとのこと。

その後毒性があることから御先祖様が人為的にその効用を期待して人家や、田畑、墓地周辺に植えだしてから日本中に伝播したそうです。

 忌避する対象は、害虫は勿論、狐や鼠、山犬、イノシシ、モグラ等から作物の他、土葬時の遺体を守るためです。

樒(しきみ)にも毒性があって、仏前に添える倣いがありますが、元々の目的は同様でしたね。

 

 そのようにヒガンバナは人里の花ですので山中深く自生することはあり得ません。よってかつての山城城址等を散策中、現在は人里から離れた場所であっても、その姿が見かけられればかつていた人の住環境内か墓地があったことが推定できるのです。

 

画像②は掛川、龍華院斜面に咲き乱れるヒガンバナ。